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2019.07.30

mandoさんに聞きたいあれこれ 『balcone di guji 虎の穴』vol4

Dialogue

mandoさんに聞きたいあれこれ 『balcone di guji 虎の穴』vol4

シーズンごとのお馴染みになりつつある、『balcone di guji 虎の穴』vol4です。



な、なんと今回は弊社でも非常に馴染み深いmandoのデザイナーである高巣満導さんにお話を伺う事ができました。
取り扱いをスタートしたのが2008年の秋冬からなので、11年というgujiの中でも非常に長~いお付き合いをさせて頂いているブランドなんです。



当初はgujiでの取り扱いでしたが、2016年からはコンテンポラリーセクションであるbalcone di gujiが発足したことで、より世界観を表現しやすくするため取り扱いを移行して早3年が経過。今ではbalconeの根底を担うブランドとしてなくてはならない存在になりました。



もちろんスタッフの所有率も高いですし、お客様の中でも一度は袖を通したことがあるという方も多いのではないでしょうか。



そんな思入れ深いブランドの一つであるmando、今回は2019年秋冬の展示会に合わせてお話をお伺いしています。



岩佐高階:今回は貴重なお時間ありがとうございます。



高巣満導氏(以下、満導氏):いえいえ。



高階:では早速なんですが、満導さんがブランドを始めたきっかけはなんだったのでしょうか。



満導氏:堅いね(笑)



高階:すみません(汗)一応インタビューなので、お聞きすることが決まっているんですよね。



満導氏:なるほど、確かにそれはそうだよね。僕自身今までの経験から企業の中よりも自分自身が独立して表現することがすなわち、より自由であることが大切だと感じたのがきっかけかな。資金面での問題もあったけれど、自由な発想を求めるには必然的な事だったね。



高階:自由な表現を求めての必然的な行動だったんですね。僕が思うmandoのイメージとしては1点、1点のアイテムに対してデザインや生地への拘りなど、ちょっと他のブランドが真似したくても出来ないような発想が盛り込まれているのも魅力の一つだと思っているんですが、やはりそういったことはどこか組織に属していると出来にくいのかもしれませんね。



満導氏:そうだね。企業に属している以上、表現に対して制限がでるのはしょうがないことだと思いますよ。

岩佐:今回コレクションを拝見している最中にもお話頂きましたが、あらためて2019年秋冬シーズンのテーマはどういった内容なんでしょうか。



満導氏:今回のテーマはボヘミアン。70年代の自由で華やかな、そして少しエスニックな、又ウエスタンな要素を今日的な緩さを交えて表現してみたんだけど、どうでしょう?



岩佐:2019年春夏はアラビアンエスニックがテーマだったので、その流れを汲んでるのかなと感じました。民族的な柄などを使いながらも上品さが備わったアイテムって意外と無いんですよね。



高階:その『上品さ』というのが凄く大事な部分で、僕らも大人の方に向けて提案する上で重要なファクターの一つと捉えてます。

今シーズンのテーマである『Bohème』、象徴的に使用されていました。

新鮮なファイヤーパターンを使用したアイテムも。

気合のピックアップ中に漏れる笑み。

高階:独自のチェックやアニマル調のパターンなど、今シーズンはより一層『柄と色』が際立っている感じがしますね。今回僕らがピックアップした小紋柄のシャツもベースカラーが4色というマルチな配色ですし。(上の写真にて高階が着用しているシャツ)



満導氏:テーマがテーマなのでより華やかな表現が出来ているんじゃないかな。高階さんが今着ているシャツなんかまさに、ズバリな一着なんだよね。凄くお似合い!!



高階:ありがとうございます!岩佐、ちょっと写真撮ってもらっていい?



(ちなみにこのシャツ、後にしっかりと個人オーダーしていました。)

高階:ちなみに今回のルックのラストに満導さんも登場されているのでちょっと驚きました。柄オン柄の組み合わせが今シーズンのテーマであるボヘミアンやエスニックを彷彿とさせますね。いや~凄くカッコいいです!



満導氏:実はこれね、ルックを撮影していたスタッフチームから要望があって一度は遠慮したんだけど強い推しに負けて登場しちゃいました。



岩佐:僕も最初インスタグラムで拝見した時は面を食らいましたが、凄く素敵ですよ。何よりデザイナーの方が一番似合っているというのは素晴らしい事ですよね。



満導氏:そういって頂けるとありがたい!でもやっぱり照れるね。(笑)

高階:では僕らgujiに対してはどういったイメージをお持ちですか。



満導氏:イタリアン、テーラーリング、映画のコットンクラブ、エレガント、レオナルド・ダ・ヴィンチの名言『LA SEMPLICITA E L’ULTIMA SOFISTICAZIONE』 シンプルとは究極のエレガンス(洗練されてる事)という感じかな。



高階:とても良い風に仰っていただきましたね、ありがとうございます。(汗)



岩佐:ダ・ヴィンチの名言は以前、Tシャツ等にも使用されていましたよね。有難いお言葉です。ただ、冷静に考えるとこの質問ちょっと恥ずかしいね。(笑)



高階:質問が決まってるからね。(汗)



満導氏:確かにそうだね。(笑)

この日の満導さんは総柄シャツに定番のプリーツパンツ、軽妙洒脱とはまさにこの事です。

手元もやはり気になります

岩佐:では少し話の幅が広がるんですが、満導さんご自身はデザイナーとして現在の日本のマーケットシーンをどう思われていますか。



満導氏:日本は世界の中でもファション感度が高い国だと思っていて、特にトレンディーな事に敏感で取り入れるのが早いよね。ただし、古き良きものを残す文化が乏しいのは残念。とはいえ将来的にはファションをリードしていくと思うよ。



岩佐:うーん確かに、年々トレンドの流れが速くなっていくのは僕らも体感しています。そういった流れに乗らずとも『良いものは良い』と提案できるようにしてきたいですね。

バイヤー高階のストライプフーディは昨年のmando。

実は質問以外にもスキーの話など多岐に渡って会話が繰り広げられていました。

満導さんの世界観が凝縮されたショールーム。和気藹々としています。

使用されている備品にも凄くセンスを感じます。

高階:では最後になりますが今後のブランドの展望などをお伺いしてもいいですか。

満導氏:mandoの世界観をさらにアジア、又チャンスがあればヨーロッパ、アメリカ
と広げていきたいね。



高階:なるほど、国内から海外にというのは今は自然な流れになってきている気がします。



岩佐:特にアジア圏はファッションが昔に比べより盛んになってきて、向こう側がブランドを受け入れる土壌が出来上がっているので、今後はよりワールドワイドに展開されると一ファンとして僕らも嬉しいですね。



岩佐高階:今回はどうもありがとうございました!


最後はお馴染みの集合写真で〆です。